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矢崎総業株式会社 

​​下岡 彩子

自己紹介をお願いします。近況も教えて下さい。


 1998年に機械工学科に入学し、在学中は軽音楽サークルに所属してバンド活動に打ち込みました。4年次には卒業研究として、小型の模型飛行機を打ち上げて回収するシステムの開発を行いました。大雪の大樹町で何度も打ち上げ実験を行ったことが良い思い出です。卒業後は、自動車部品製造販売業の矢崎総業株式会社に入社しました。新入社員は1年間の海外研修があり、私も2005年~2006年にかけてオーストラリアのブリスベン、カナダのバンクーバーとビクトリアにて楽しい日々を過ごしました。入社後は品質管理部門に配属され、現在は財務部門に勤務しています。プライベートでは、長期休みのたびに南の島でのスキューバダイビングや、ヨーロッパ旅行にでかけています。大学時代のバンド仲間とは今でも付き合いがあり、たまにライブもやっています。

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インドネシアのラジャアンパッドでのダイビング

本学機械工学科に進学した動機を教えて下さい。


 私は物を作る仕事がしたかったので、物を作る=機械、という単純な発想で機械工学科を選びました。東京出身ですが、北海道に住んでみたかったというこれまた単純な理由で北国を目指しました。

在学時代の思い出に残っていることは何ですか?


 飲み会とジンギスカンとバンド活動で記憶の8割が占められています。急に思い立って帯広にカレーを食べに行ったり、車で夜通し走って友人の実家(北見)に冬用タイヤを取りに行ったり、深夜に及ぶ実験が終わって疲れ果て、そのまま十勝岳温泉に行って自衛隊の砲弾演習の爆音を聞きながら温泉に入ったり、ニセコ山荘でゼミの合宿を行った際に、裏の川で冷やしておいたビールが流されてショックを受けたり、関東の大学の先生がゼミを訪ねて来られたので、雪とビールをバケツに詰めてお出ししたらとても喜ばれたり、そういうことばかり鮮明に覚えていて、ベルヌーイの定理はすっかり忘れてしまいました。

現在の仕事と本学で学んだこととのつながりなどを教えて下さい。

 

 私は財務部門に勤務していますので、機械工学科で学んだ知識は使っていません。設計/開発部門に勤務する同期入社の数名にも聞いてみましたが、ゼミの専攻や研究をそのまま生かした仕事はしていないそうです。大学の研究室に残ったり、公的な研究機関に勤めたりするのでもないかぎり、大学で学んだことを100%使った職業につくことはそうそうないかと考えられます。

 しかしこれは単に「専攻」に関する話であって、厳密にいえば「学んだこと」とは「専攻」だけにとどまらないかと思います。会社の仕事とは良くも悪くも「報告資料の作成」に多くの時間が取られます。何らかの数値化されたデータをエクセルで集計/グラフ化し、パワーポイントに貼り付けて報告資料を作成する・・・どこかで見たような・・・そう、卒論発表です。いまどきエクセルやパワーポイントって・・・と思われるかもしれませんが、一般的な仕事ではベルヌーイの定理よりも使います。

 また、わからないことを担当教授にいちいち聞いていられませんので、自分で文献を調べる、ベルヌーイの定理が思い出せなくても、教科書の何ページに載っていたのでそこを見る、その作業を繰り返して何らかの仮説を立てる、仮説をもとに実験してみる、その結果と仮説を比較する、進捗状況を担当教授に報告して今後の方向性を決める、このように自分で作業を組み立てて進める流れはそっくりそのまま、会社での仕事にもあてはまります。

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矢崎グループではこのような製品を作っています

在学生や高校生へのメッセージをお願いします

 

 私が機械工学科の学生だった頃は、機械工作実習で工作機械を扱うこともあり、切削油で手や作業着が汚れたり、擦り傷ができたり、やけに重たいものを扱ったり、溶接で汗だくになったりと、女性には少し大変な環境だったかなと思います。女子学生の全体数も少なく、女子トイレの数も少なく、周囲も女子学生をどう扱ったらよいのかなという様子見姿勢、何かというと「女性代表」になりがちで、これは学部の選択を間違えたかしらと思ったこともありました。それでも私が卒業するころには大学内も少しずつ改装されて、校内が明るくきれいになり、女子トイレも増え、様々な制度も充実し始め、入学時とは隔世の感がありました。今や改装されすぎて入学当初の面影が全くないところが、時代の流れとはいえ寂しい限りです。

 大学とは、上にも書きましたが専攻科目を学ぶだけにとどまらず、社会に出るための力を身につける場所です。もちろんこういった力はどこでも学べますし、大学に行かなくても身につけられるものでしょう。しかし、大学という環境には先生はもちろん、多くの先輩、多くの後輩、多くのクラスメートと、お手本になる人がたくさんいます。世の中には想像以上に多種多様な人がいて、予想もつかないようなことが発生しますが、どんな人、どんな出来事からでも何かしら学ぶことができます。大学で学ぶということは、社会の荒波に漕ぎ出る前の予行演習として、様々な人や物事について自分の頭で比較検討し、より良いものを選択する力を身につけるとてもよい機会だと考えています。